わっしょいわっしょいわっしょい

アンデット祭り
各作品への感想。昨日の続き行きます。つまりおにぎりからね。
相変わらずネタバレ全開仕様なんで、できれば作品の方を読んでから見ることをお勧めするのですよ。
(25:40 Lush Dreams. 今日はここまでっ)




・生者のおにぎり【オリジナル】
今回一番変態的でした。昨日も書いたことですが、「変態」っていうのは超褒め言葉です(笑)
面白かったー。


開始三文字がうんこだもんね。素敵過ぎる。


内容は言わずもがな、その文章自体が変態的ですごく味があります。
ここで言う「変態的」っていうのは、「うんこ」とか「オナニー」とか「精液」とかいう言葉を何のためらいもなく使っていることも一つですが、それよりもむしろ、全体的にいえる言い回しの妙。
初めの段落を読めば、もうそれだけで僕の言いたいことを分かっていただけるかなぁと。


人がたくさん死んでボロボログチャグチャになって日本自体が生きるか死ぬかっていう状況の中で、あくまで「おにぎり」に焦点を当てるのが何とも憎い。
そこがまた変態的で、だからこそ人間的で。生きることなんて、そもそもが異常な行為に決まってますからねー。
終わりも唐突で、変態で、正にこの話のラストに相応しいと思います。


あまりにも全体が異常なんで目立たなくなってますが(意図的にそうしてるのでしょう)、女の子が切な過ぎる。悲し過ぎる。不憫過ぎる。
あー、ちょっと泣きそうになってきた……





・ささやかな奇蹟【オリジナル】
勘弁してください……
何ですかこれ。圧倒的。凄過ぎる。
いやいやいや、もうこれ優勝でしょう。……って僕が勝手に言うのもあれですけど。
先にこの作品を読んでたら、多分僕投稿してません。今も投稿したことちょっと後悔気味です。
そんぐらい、最高の作品でした。


もうね、とにかくジャストフィットでした。
これ絶対本多孝好とか好きな方じゃないかなぁ。すっごい似た空気を感じるんです。
どこかつかみどころのない、魅力的な千恵。
「僕」と千恵の微妙な距離感。
気の利いたやり取り。
読みやすいんだけど、ちょっと捻ってて味のある文章。
全体を流れる、淡くて、澄んでて、綺麗な空気。
「アンデット祭り」を逆手に取ったトリック。種明かし。
爽やかだけど適度に後を引くラスト。
いやあ、素敵過ぎます。何てーか、僕の目指す理想に近い。


いやね、本当なら、「あーこれ僕が書きそうな話だなぁ。作者さんには失礼かもしれませんが(笑)」とか書きたいところなんです。
でもちょっとこれ僕なんかとはレベルが違い過ぎるんで、それが書けません(笑)


あんまりベタ褒めするのもあれなんで、重箱の隅でもほじくってみます。


妹のキャラに少しあざとさを感じました。
血液型と名前。あと一つ二つぐらいヒントがあっても良かったような気が。


うーん、全然欠点が見つからない……
悔しい……


結論。
プロに行ってください(笑)





・かくれんぼ【オリジナル】
不思議な話。
世にも奇妙な物語……とまではいかないけど、まぁ方向としてはそんな感じかな?
この尺でよく空気が出てると思います。


「ボク」すっごい強っ(笑)
僕なら間違いなく、掘り当てた瞬間逃げ出します(笑)



>同時に向こうを歩いていたガキ大将が、何かに突き飛ばされたようにうつぶせに転んだ。
背中を押したってことは、「友達」はその瞬間穴から出てきたってことでしょうか?
>周りの皆が首を振る。遠くから見ているボクには、誰が押したかわかっていた。
ってことは、ガキ大将の周囲の人間(恐らく後ろからついていってた子供たち)には見えなかったってことで……うーん。
あ、最後に「ボクにしか見えない姿」ってありますね。つまり「友達」は主人公以外には見えないってことだから別にいいのか。


「友達」は水死体、あるいはその霊ってことでいいのかな?
「かくれんぼ」というタイトルからして、彼の身体は今もまだ見つかってなくて、誰か(主人公)に見つけられるのを待っている。
僕はそういう風に解釈しました。最後の一文もそれを暗示してるように思えて、素敵。


個人的には、ガキ大将をそのまま溺死させて欲しかったかも。
もちろん、「友達」が意図的にガキ大将を溺死させるって方向で。
そうすると、
> そしてボクはその場所に駆け寄り、友達そっくりの別人を見つけ、
>「あったぞーっ!!」
> 声を張り上げるのだ。
> そしてまだ誰も来ない岩陰で「サンキュ、」と小さく呟くと、友達は満足そうに去っていくのだ。
この辺の意味が全然変わってきて、それはそれで面白そう。
というか、途中まではそういうエグいのを予想してたんで、ちょっと拍子抜けした感があったり。
勝手な人間でごめんなさい。





Lush Dreams.【オリジナル】
スタンダードでベタな話。
話の組み立て方。ありがちといえばありがちな形ですが、読者の期待するところをしっかりとおさえてありますし、綺麗にまとまってると思います。
いい話です。


文章自体は割と慣れた感じ。
でも、うーん……ちょっとやり過ぎ感というか、わざとらしさというか、クサさというか、そういうのが目立ったり。
もうちょい自制してもいいんじゃないかな、と。
具体的にどの辺にそういうのを感じたか。作者様が気になるようでしたら、お伝えします。


芳野さん思い出したのは僕だけじゃないはずだっ!


てか姉さん可愛いよ姉さん。


姉さんください。


駄目?


お願いだよぅ、Foolisさーん。


……これで作者予想間違ってたらどうしよう。