わっしょいわっしょいわっしょいわっしょい

アンデット祭り
引き続き感想を。
今日はサヨナラバスから。
ネタバレに気をつけてっ。
(24:25 Separate world まで。今日はこの辺で)





サヨナラバス【オリジナル】
Lush Dreams.』と同じく、幽霊ものとしては実にベタな話。
後半かなり走ったとはいえ、内容自体はきちんと考えられていて好感を持てます。
ユミのキャラが立ってて素敵。逆に結城がちょっと沈んじゃってるかなぁ。


ユミのエピソードがかなり好き。
短いけど上手くできていて、いいなぁ。


全体として見た時、どうもこの話は完成してないような気がします。とても残念なことに。
ユミの後、
>「……僕は今日、日阪高校を受験しに行ってたんだ」
ここから先、話の展開を焦ってる感じがあって。それまでは回り道しながら歩いて来てたのに、突然それを止めて最短距離を走ったような。余裕が全く無くて、どっちかというと、あらすじを読んだような印象。
多分時間が無かったんだろうなぁ、と。
考えていたストーリーを何とかかんとか書き出したんじゃないかな?
最後も無理やり終わらせた感じ。


最初にも書いたことですが、内容自体はしっかりしていたと思います。
是非とも完成した形で読みたかったです。




・ 死人だって生きているんだ友達なんだ【オリジナル】
また妙な話来ましたね。タイトルからして変ですもん(笑)
これも普通に重い内容と何とも力の入らない文体とのギャップが素敵。
面白かったです。


『心優しいゾンビーのお話』の場合は、コミカルな文体で綴ることでラストの恐ろしさがぐぐーんと際立ちましたが、こっちの方はそれとはまたちょっと違って。
どっちかというと、文体そのまま、脱力的な笑いを誘ってる感じかなぁ。


冷静に考えれば、
>けど、なあに、僕はまだ生きている。あはは、なんだか楽しくなってきたぞ。
とか
>でもそんな中で、それでも僕は陽気にお客を脅す。
とか、もう狂っちゃってるような状況なんだけど。
でも背筋が冷えるようなことはなくて、逆に、微笑ましいなぁなんて思ってしまう。
タイトルがあれですから、どうしてもあの歌が頭の中で流れてしまって。
作者さんにうまくやられちゃったなぁ、と。




・お父さんの香り【オリジナル】
いい話です。
書き慣れた方だと思います。
ところどころちょっと首を捻る文章もありましたが、基本的に安定してた印象。


キャラが魅力的でした。
ファザコンの匂いフェチ。
沙織ちゃんいいなぁ(笑)


祝詞との恋愛に簡単に流れなくて良かったです。
ほんのちょっとだけ気にかけてる奴ってとこかな。
さっぱりとしたラストも素敵でした。
先がすんごく気になるですよ。書いてー。お願いー。




・Separate world(オリジナル)
並列して対比させることによって、すれ違いを表現する。
よくある形といえばよくある形ですが、表現は成功していると思います。
そこに三色の光を持ってくるのがなかなかいいなぁ。
白から様々な色を取り出すってのは素敵。



本当は白い光。その中から、人はそれぞれ勝手に色を取り出す。そんなこと無意味なのに。
一度取り出した色は、混ぜなおしても、もう元の白には戻らない。白のまま捉えればいいのに人間ってバカね。
……っていうことだと思うのですが、(違ったらごめんなさい)
一度取り出した色が、どうしてそこで「絵の具」の色になるのかがよく分かりませんでした。
白い光から、赤色と青色と緑色の光を取り出して、その光をまた重ねれば白に戻るわけで。
「光」でなく「絵の具」になるところに疑問。うーん。


対比は成功していたと思うのですが、ごめんなさい、感じ入ることができなかったです。
文章にあざとさを感じてしまったのと、弟君の達観具合がどうも居心地悪かったのと。
>由衣さんが本当に姉が醜い、と思うことを理解しないように世界を理解できないように。
ラストによく分からない文章が来てしまったことと。