名無しさん感想

ドキッ☆名無しさんだらけのクラナドSS大会


投稿されたものから感想をつけていきたいと思います。
褒めるばかりじゃないんで、その辺踏まえた上で見てやってください。
批判的なのは嫌いよ!って方はスルーした方がいいかもです。
もちろんネタバレ全開ですー。


(25:40 Aグループ それは友情の証なの まで。今日はこの辺で)





・ありがとうを海へ


 書き慣れてますねー。会話、地の文、テンポが良くて素敵です。
 ことみシナリオ後の幸せな模様。これぞ二次創作、な話。
 話の構成としては、コメディチックに中盤まで持ってきて、ちょっといい話(ありがとうの手紙の部分)を交えた後、ラストではしっかりオチをつける、と。その辺からもやっぱりこなれてる印象を受けますー。
 んで、気になったところも。
 会話、地の文、会話、地の文の連続で、ちょっと変化に乏しかったかなぁと。もうちょい工夫してほしかったってのが正直なところ。最初から最後まで一本調子なんで、途中でだれちゃうような。
 ラストも賛否ありそうですね。あれはあれで決して悪くないと思いますが、タイトルがタイトルですから、僕としてはいい話のまま終わらせてほしかったっす。




・蛍の灯火


 よくできていたと思います。
 実は死んでたっていうのはよくありますし話としても実にベタですが、その設定を活かして綺麗に作られていた印象。面白かったです。
 波の少ない静かな文章もこの話によく合っていました。
 気になったところ。
 まず。「おじいさん」の幸村に対する感情がイマイチ分からないというか納得できないというか。
>最後の最後まで、あの人は僕の道しるべだったのかもしれない
 この心情を上手く表現しきれてないような気がします。この「おじいさん」については、もっと深く掘り下げてほしかったかなぁと。
 もう一つ。改行について。
 この作品は、基本的に一行一文で書かれています。
 ネット上では確かに字が詰まってるよりも随分読みやすいんです。だからこういう風に書くのもありだとは思います。
 思うんです……が。この書き方って、話の流れ、テンポ、速度なんかを犠牲にしちゃってるような気がして。
 改行って、有効な表現手段なんですよね。時間的にも意味的にも少しの空白が生まれますから。
 えーと、例えば。ちょっと引用しますね。勝手にごめんなさい。



 幸村の息子は葬式の準備やら参列客への対応やらで忙しさに追われていた。
 仕事に余裕が出てきた頃、父の最後の言葉を思い出して、彼は参列客の名簿から父の言っていた生徒の名前を探した。
 しかし、どこにも彼の名前はなくて、肩をがくりと落とした。
 父の思いが果たせぬことへの落胆もあった。
 また、それほど父が心配していたにも関わらず最後の挨拶にも来なかったその生徒への失望感も確かにあった。
 だが、諦めかけて最後のページを開くと、女性の名前が書かれていた。
 その生徒と同じ名字だった。もしかしたら彼の身内の人かもしれない。
 そんな希望を持って家の中に戻ってその女性を探した。
 名前が書かれてまだ時間は経っていないように思えた。
 案の定、幸村の写真に静かに手を合わせる年老いた女性がいた。
 大分人気の減ったその部屋で静かに幸村の冥福を祈っているようだった。
 息子は女性に声をかけ、彼の身内の人かと訊いた。
 老婆は驚いたように自分は彼の妻だと名乗った。
 息子は事情を話すと彼に会わせてはくれないかと頼んだ。



 これが原文です。最後の場面ですね。
 この中の


 しかし、どこにも彼の名前はなくて、肩をがくりと落とした。●
 父の思いが果たせぬことへの落胆もあった。●
 また、それほど父が心配していたにも関わらず最後の挨拶にも来なかったその生徒への失望感も確かにあった。


 この二箇所の改行(●)と


 また、それほど父が心配していたにも関わらず最後の挨拶にも来なかったその生徒への失望感も確かにあった。●
 だが、諦めかけて最後のページを開くと、女性の名前が書かれていた。


 直後のこの改行(●)。重さが全く違うと思うんです。
 前者は、むしろ三文で一かたまり。後者は、明らかに話が展開するところです。
 そんな感じで改行を入れていくと、


 幸村の息子は葬式の準備やら参列客への対応やらで忙しさに追われていた。
 仕事に余裕が出てきた頃、父の最後の言葉を思い出して、彼は参列客の名簿から父の言っていた生徒の名前を探した。
 しかし、どこにも彼の名前はなくて、肩をがくりと落とした。父の思いが果たせぬことへの落胆もあった。また、それほど父が心配していたにも関わらず最後の挨拶にも来なかったその生徒への失望感も確かにあった。
 だが、諦めかけて最後のページを開くと、女性の名前が書かれていた。その生徒と同じ名字だった。
 もしかしたら彼の身内の人かもしれない。そんな希望を持って家の中に戻ってその女性を探した。名前が書かれてまだ時間は経っていないように思えた。
 案の定、幸村の写真に静かに手を合わせる年老いた女性がいた。大分人気の減ったその部屋で静かに幸村の冥福を祈っているようだった。
 息子は女性に声をかけ、彼の身内の人かと訊いた。
 老婆は驚いたように自分は彼の妻だと名乗った。
 息子は事情を話すと彼に会わせてはくれないかと頼んだ。



 こんな感じになりました。
 いや、改行の入れ方って人それぞれなんで、もちろんこれに納得できない方もいらっしゃるでしょうが、少なくとも、一行一文で進めるよりは、流れがしっかりはっきりとしてくるのでは、と。
 文自体は全く同じなんですが、結構変わったような気がしませんか? しませんとか言われたらすいませんでしたですが(笑)
 加えて。こうやって、考えながら改行を入れると、文と文の繋がりをより意識できるようになるんじゃないかなぁなんて思うんですがどうでしょう?


 えーと、これはあくまで僕個人の意見です。たくさん改行して読みやすくするのも一つの手ですし、こういう感じで改行していくのもまた別の手として存在するよ、と。んで、僕は後者の方が好きかなぁってことです。







・それは友情の証なの


 いきなり一文目で泣きそうになりました(笑)
 もてもての朋也を刺したいと思うのはきっと僕だけではないはず。ちくしょう。
 ひらがなみっつでことみちゃんの一人称で、終始ふんわかと話が進んでいきます。ふんわかふんわか。ことみって可愛いよね。
 文章は割としっかりしていますが、前二つ(海、蛍)と比べると書き慣れてない印象。話の筋やその展開のさせ方など、甘いかなぁというのが正直な感想でした。もっともっと書き込んでいくといいかもですね。