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ラーメンが好きです。死ぬほど好きってわけでもないけど、まぁ少なくとも人並程度には好きだと思います。ま、ラーメン嫌いな人ってあんまりいませんよね。
僕は福岡の人間ですから、基本はもちろんとんこつということになります。醤油、味噌、塩なんてまず食べません。ラーメン=とんこつ。九州人の常識です。
さて、そんなわけで今日ラーメン食べてきたんですよ。ふらふらっと看板に釣られて。そういうことって割とよくある。
その看板にはこう書いてありました
本格派とんこつ
おおっ! と思いましたね。わざわざ看板にとんこつなんて字を出すところにその店の自信を感じました。しかも本格派。とんこつなんて福岡ではデフォであって、客の側からすればわざわざ書いてもらう必要ないんですね。醤油とか味噌とか塩とかを出してる店がそれを掲げることに意味はあっても。
例えるならあれです、ホテルの看板に「本格派ベッド」と書いてあるみたいな。そりゃ期待する。超期待する。
というわけで、そのラーメン屋に入りました。久しぶりに美味いラーメン食っちゃるぜ、と気合入れて踏み込みました。
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入った瞬間ね、もう気分はこんな感じ。
なんでかってね、店の中に、あのどぎついとんこつの匂いがないわけです。ほのかに香る程度。気づくべきだった。店の外にそれが漏れていなかった時点で気づくべきだった。
カウンターに座って、メニューを見て、やっぱりなぁ、です。
『とんこつの匂いを極力抑え、旨みのみを際立たせました』
詳しく覚えてないけど確かこんな感じ。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
匂い無しで何がとんこつだっての。それで本格派語るつもりか。もっかい修行やり直して来い。
とんこつの匂いに慣れてない方、まぁつまり九州の外から来られた方には、あの匂いダメだっていう人も多いと聞きます。多分そういう人でも食べられるように、とんこつの匂いを抑えてるんでしょうね。
分かるんです。今やラーメン屋も全国展開が当たり前ですし、観光客も集めたいでしょうし、より幅広いお客さんに合わせた味にするという気持ちは分かるんです。商売として実に正しい。
確かに、最近、そういう店多いです。だからこそ「本格派とんこつ」という看板に惹かれたわけで。
でもね、やっぱ九州で生まれ育った僕としては不満なわけですよ。とんこつっつーのは、あの匂いまで含めてとんこつなはずなんです。匂いをなくして、それでとんこつ本来の味になるはずがない。嗅覚舐めちゃあかんよ。世の中に、無臭で美味しい食べ物なんてありますか?
以前書きましたが、僕、フレーバーコーヒー嫌いなんです。コーヒーの香りじゃないコーヒー飲んで何が美味しいのかが分からない。多分この辺、とんこつの場合と似たような心理だと思う。だから、僕はフレーバーコーヒー好きだという人をあまり信用しません(笑)
んで、何が言いたいかっていうと……
……なんだっけな?
ま、いいや。とにかく、本州のみなさん、「匂いを抑えた」とんこつを本当のとんこつだと思っちゃダメですよ。是非ともとんこつ匂いに慣れて、その上で、九州のどぎついとんこつを食べに来てください。