バトこん感想19〜22


 19 White Memory.


 トリエラ……・゚・(ノД`)・゚・
 ガンスリンガーガールは正直もうあんまり覚えてないんですが、トリエラが致命的に好きだということだけは染み付いています。今作の彼女はすごく彼女らしくていいですね。
 例のお見舞いシーンの裏側、ということでしょうか。全体的によくできていたと思います。細かいところまで気が使ってあって、原作の世界が忠実に再現してありました。作者さんの原作への愛が透けて見えるようです。
 『彼女たちの空白の記憶をこの身に刻み続けよう』という強い意志を持つようになったトリエラ。でも本当はもう結末なんて見えていて、いつか彼女も忘れてしまうことになる。「歓びの歌」がそれを暗示しているというのも、彼女ではありませんが、何とも皮肉な話です。
 落ち着いた、でもどこかうら悲しい文章。これもやはり原作の空気と非常に合っていて、とても素敵です。確かな実力を感じます。
 際立った何かがあるわけではないけれど、完成度の高い綺麗な話でした。


 作者さん……これどなただろう? 勝手かつ失礼ながらかなりシンパシー感じるんですが。





 20 はらぺこ戦車隊、北へ


 世界観やら背景やらキャラの細かい説明なんかを思いっきりぶち抜いて、初っ端からのフルスピード。あれれあれれと思っている間に、知らず読者も乗せられている、という。
 勢い重視、割と冒険的な作りですが、今作についてはそれが成功しているように思います。ついて来れなかった読者も多少いるだろうとは思いますが。
 定型とはいえ、それぞれのキャラも十分に魅力的です。ただ、序盤、それを掴みきる前に、ちょっとどれが誰の台詞なのか分からなくなるところもあったかな。
 しかし熱いな、これは。文章も内容もキャラも。多分こういったものを書き慣れてるんでしょうね。全く違和感がありません。
 何かもう読者が喜びそうなことをしっかり抑えられていて、終始ワクワクしっぱなしでした。『ふん、なんだ、楽勝じゃないか。なあ、お前ら』とか最高過ぎるぜ。
 これ、シリーズ化、長編化して欲しいなぁ。それぐらい面白かったです。今回一番楽しい話でした。


 もう疑う余地も無く八岐さん。つーか他の誰がこれを書けるというのでしょうか。やっぱりバトルといえばこの方ですわ。





 21 呪われた男が見た星


 呪いによってそれまでの価値観を変えられた男の話。
 作者さんの言いたいことは分からないでもないんですが、ちょっとそれを前面に出し過ぎているような気がします。全部言葉にしてしまうんじゃなくて、読者に委ねる部分をもっと増やすべきなんじゃないかと。
 あと、正直な話、今作には根本的なところで問題があると思う。多分、この話において最も重要なのは、男の価値観が変えられるところでしょう。それを「呪い」という言葉で簡単に済ませてしまっては、重みが無くなってしまうと思うんです。
 例えばその星の人々との直接的な交流とかそういう「生」の展開を通して、もっと少しずつ男の価値観を変えさせるべきだったのでは。
 無関心でいられれば楽だったのに、そうできなくなった。それを「呪い」と表現するのはなかなかナイスだと思います。でも、それだけに頼って欲しくなかったなぁ、と。


 おりびいさんかな、これは。






 22 滑稽なダンス


 えーと、ごめんなさい。競作の場であることを考えると、ちょっと辛辣な感想とならざるを得ません。
 全体的に書ききれてないように感じます。書きたいことに筆がついていってない感じ。
 話としても明らかに体裁を成していません。クライマックスを投げ出してしまっては……恐らく時間切れだったのかな、と思いますが。
 文章の一つ一つは、破綻も少なく、割とよく書かれていたと思います。経験を積んで、いい話を書いていってください。


 予想つかず。あんまり書き慣れてない方だろうなぁとは思います。




 とりあえず、原作を知らない5,11を除いた全てに感想をつけてみました。
 5,11についても採点はするつもりです。原作を知らずに評価をするのは難しいところですが、途中経過を見るとあまりに採点数が少ないようですし……