ろりこん2感想15〜25
15 幼女座へ
作者さんはとてもアホだと思います ←超褒め言葉
何この妄想体現の星。素直過ぎて吹きました(笑)
文章もノリがよくて面白いのですが、ただ、勢いだけで書かれてる気がしないでもないです。
行頭のスペースは不規則で読みにくいですし、後半の展開は急ですし、どうしても全体的にかなり荒い印象が。
多分そんなに時間かけないで書かれたんじゃないかなぁとか思ってみたり。
16 キミと俺との約束白書
地の文、主人公の語り口がとても面白いです。何だよ、柔らかい連星Xって(笑)
いきなり五年前の回想に入るのにも笑いました。タイミング絶妙過ぎ。
数多の誘惑を他所に正しいお兄さんであろうとする主人公(おっぱい星人)の姿には感動すら覚えます。ごめん、ちょっと言いすぎた。
ただ、後半のシリアスパートにちょっと引っかかりを覚えました。
「みぃを……たすけて」前後は、正直、話から浮いていたと思います。まーくんが転ぶために必要なステップ(笑)だということは分かるんですが。
コメディチックな中にアクセントとしてシリアスを混ぜるっていうのは有効な手法に違いないんですが、この場合はちょっと深く掘り過ぎたと思わないでもないです。落差が激し過ぎて、読者としてはそこまで潜りきれなかったかなぁ、と。
まぁ結論としては、みぃちゃん可愛い(笑)
17 ミルフイユの上手な食べ方
外見こそ違えど、ローゼンメイデンの真紅を思い出したのはきっと僕だけじゃないはずだっ!
それはさておき。
フィーユに関する描写がすごく丁寧で、作者さんの少女に対する愛情が伝わってくるようでした。
恐らく今回一番緻密に描写された少女だと思います。入浴シーンの妄想(サービスカット)とか。
ただ、中盤、それまでと比べて途端に会話の比率が大きくなる辺りから、話を収束させるために走っちゃった感じが。家族への愛情うんぬんも唐突だったように思います。
あと、ミルフイユについていくつか触れられているようですが、物語の中で何か意味を担っていたのかなぁとか。
夢、少女、魔女、両親への愛情、ミルフイユ。何ていうか、話を作る要素が多過ぎて、主軸がはっきりとしていなかったような気がしますです。
フィーユさんに会いたいんですが、どうやって眠ればいいですかね?
18 推定130cm。
ゆあが可愛い。とても可愛い。この歳にして「女性」でもあって、とても魅力的なキャラでした。
そのゆあを背景に置いて主人公の失恋を描く、というのはなかなか面白い着眼点だなぁと思いました。
終わり方もさらっとしていて、すごく好感触。
ただ、背景としちゃうには、前半であまりにもゆあというキャラを前面に出し過ぎていたような気がします。
初っ端にどーんとゆあが出てきて(効果的な導入だったと思います)、あれよあれよと同居生活。ほとんどの読者がゆあをヒロインの位置に置き、主人公とのこれからの関係に期待したはずです。
でも、中盤から唐突に出てくる新キャラに押されるような形でゆあはフェードアウトしていく。話の主軸にゆあという少女は間接的にしか関わってこない。
もちろん、ゆあがいなくなった後もゆあの影響はきちんと残っていて、話の中で重要な役割を果たしてはいます。ただやっぱり、それは「間接的」でしかないわけで。
言い方を変えるなら、これは長編とか短編連作の第一話的な話なのかもしれません。メインである主人公とゆあ、サブとしてこれからも出てくる雅恵や康高、それらのキャラや立ち位置を確立させて、続きを期待させるための話、みたいな。
と、まぁ、その辺りは置いておくとしても、この話の終わりからゆあと主人公の本当の意味での関係が始まっていくのは間違いないのでしょうね。それを見守っていきたいなぁなんて思うのでした。
つか、何やかや言いながら、結局は、ゆあ可愛い(笑)
19 38℃のぬくもり
だらーだらした感じが好きでした。
主人公の語り口もあって妙に間延びしてるんだけど、それがまたいい味になってたと思います。
二人のやり取りも面白いですし、甘えんぼな姪っ子も可愛いです。
ただ、競作の場であることを考えると、高得点をつける程の大きな魅力には欠けるかなぁと。
20 卒業式
いやぁ、実に生々しい話でした。
援交中学生と現実に話したことがある人は今回の読み手の中にまずいないだろうけど、少なくとも読者が「多分こんな風なんだろうなぁ」と感じられるぐらい、キャラがしっかりと作られています。語り口も同じく。
最後に携帯投げ捨てちゃうところもいいなぁ。それまでの色々が詰まった携帯を捨てる。タイトルとの相性もばっちりですし。
ちょっとだけ、話を収束させようとする作者さんの意図みたいなものを感じなくはなかったですが。
その他に難点を挙げるなら、恐らくはこの企画内での奇を狙ったであろう設定が、その後特に奇の無い展開を見せて、割と「普通の話」っぽく落ち着いちゃったところかなぁ。その辺りでいまひとつ点数が伸びきらないんじゃないかなぁと思います。
「せっかくのインパクトのある設定なんだから内容自体にももっと普通じゃない何かが欲しかった」というのはある意味読者(この場における)のわがままなのかもしれないけれど。
21 夏の始まり
これだけだときついかな、というのが正直な印象。
原作以前の補完。二次創作としてはよくできていると思います。
ただ、話の性質上、どうしても今作単独での魅力には欠けるかな、と。
原作の前にこういうことがあったんだよ、ふーんそうだったんだ、で終わっちゃうというか。
例えばここに何らかの魅力的な物語がついてきたり、読者を驚かす「原作で隠れていた事実」なんかが入ってくれば、また大きく変わったと思うのです。
まぁ多分作者さんは、「あさっての方向。」の地位向上が目的でこれを投稿されたんであって、必ずしも上の順位を狙ってはいないんだと思いますが(笑)
22 雪一夜
短い中でよく出来た話だったと思います。
尺や構成から見るに少なからずショートショートを意識した作品なんでしょう。
ただ、そのためには何らかの斬新さや意外性が必要であるはずで、その点、女の子が実は猫だったというのは特に目新しい設定とはいえないと思います。
ショートショートの面白さっていうのは上に挙げたような点に違いなくて、それに欠けると、こういう競作の場における尺の短さってのはそのまま「他と比べて情報量が少ない」という欠点になってしまうと思うんです。
だから、話としての出来は悪くないんだけど高い点数もつけられない、という評価に。
あと、全体を回想にした意図がイマイチ掴めなかったんですが、何かあったのかなぁ。
23 まよいブルマー
ごめんなさい、化物語未読なんでパスで。
24 永すぎた春
言いたいことは分からないでもないんですが、40という数字があまりにも唐突過ぎたかな、と。
最初に発言した方が40歳前後でそれと同い年ぐらいを推量した、という予測はつくのですが、いくらなんでもちと不親切だったような気がしますです。
25 幼婚
うわぁ、これは……。暗くて、すごく痛々しい話でした。
ババの語り口が絶妙で、雰囲気作りが抜群に上手い。
梁の染みうんぬんはちとチープだったような気がしないでもないです。あそこで多少冷めちゃったところが。
例えそれがリアルな言葉だったのだとしても、あの場面の台詞としてあまりにも定型的過ぎたような。
とはいえそれも重箱の隅つつきに近くて、全体的によく出来た話だったと思います。「幼女である必要性」なんかもしっかりとあって企画にも合致しますし。
ただ、こういう、ある種「凄惨なだけ」な話(少なくとも僕にはそう見えました)はどうしても個人的な好みから外れるので、この点数(発表まで秘密だぜ)を付けさせていただきます。